[コメント] 幸せのちから(2006/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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「成功を掴み取った、努力家」として=80点。「息子を思うパパ」として=50点。「家族の一員」として=15点。
「研修期間の間、一生懸命頑張った」というのはよく判った。でも、「家族」を考えた時に、その結末が「本当の幸せか?」と訊ねたくなる。
始まりの部分、証券取引所の前で「幸せそうな顔」をした人間たちの、作ったような半笑いの顔が気色悪かった。
裕福そうな階級の人々。広い庭のある美しい花いっぱいの豪邸に住み、息子と一緒三にオープンカーに乗ってボックス席で49ersのフットボールの試合を観戦。休日にはゴルフに興じる。この映画はどちらかといえば、そういう人々を多少「さげすんだ」視点で描いていた気がする。主人公たちがシスコの街中を駆けずり回っている後ろを、軽薄そうなお金持ちの若い男女が「アハハハ」とかいいながらオープンカーで通り過ぎる。彼らは主人公たちの苦労や痛みなど気にもかけない。
それでありながら、主人公クリスのめざす「しあわせ」は何なんだ?。ってよりこの映画の主題は何だ?。これじゃ『幸せのちから』というよりも、『パパの転職大作戦!』といった方が近いんじゃないか?
それでも「幸せ」というキーワードにこだわるなら、(劇中では「HAPPINESS」の綴りにこだわっていたけど)、息子クリストファーにとっての「幸せ」とは何か?を考えれば、この映画に足りないところ、あるいは僕が不満に思っているところがよく判る。
どうせなら、他の研修生19名にも、きっとそれなりの事情や背景があるわけで、6ヶ月も顔をつき合わせているなら、ライバル同士かもしれないが、それなりに交流だってあるはず。だから、20人の研修生全員は無理かもしれないから、5〜6人ぐらいの生活をオムニバスのようにしてまとめ、「ひとつの座席」を競い合うテーマだったら、この主人公の家族のように、夫婦が、親子が離れてしまう展開も「残念だけど、そういう人生もあるね」と、さらっと思えるのに。
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