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[コメント] ドリームガールズ(2006/米)

正直、かなりニガテな分野です。ミュージカル映画は。
林田乃丞

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 だから、けっこう身構えて見に行ったわけです。というより、新宿にシネコンができたってんで試しに行ってみようかというのがメインで、上映は何でもよかったというのが本音で。たまたまアカデミー賞の発表の日だったというのもあって。

 で、結論からいうとすごく良かった。楽しめた。『ドリームガールズ』ってタイトルだし美談ですっきりまとめてポンって感じなのかと思ったら、これがなかなかシビアに「夢」に翻弄される女のコたちの物語が展開されるし、ジミーのエピソードもビシっと決まってる。キング牧師の小ネタもいい。

 そして何よりエフィです。ウザいんだこれが。ハッキリ言ってドリーメッツが売れてく上でカーティスが取った方法というのは非常に正しくて、エフィがメインじゃ彼女たちは一生売れないまま歌を辞めてたんでしょうから。ディーナメインのドリーメッツというのが、プロのアーティストとして成立する唯一絶対の形だったわけです。それに、ひとり遅刻してるってときにすぐさま代役を用意するとこなんて敏腕マネージャーですよホントに。どんな理由があれステージに穴あけるわけにはいかないから。それをエフィったら遅刻してきたくせに色恋まで持ち出してギャーギャー騒いで。プロ意識ねーのかって。空気読めって。いるんですよね、私の周りにも。こーゆう自信過剰で公私混同なヤツって。

 この手のミュージカル映画で、そーゆうウザいキャラが普遍性を持って訴えかけてきたのは初めての体験でした。

 早い話が、この映画は人間が描けてる。

 だからいきなり歌い出してもストーリーを邪魔しないどころか、エフィの感情が歌を通して痛いほど伝わってくる。ガッと来る。音楽には詳しくないんですが、歌唱力があるっていうのはたぶんそういうことなんでしょう。ディーナがカーティスに「声に深みがない」って言われたあとのレコーディングのシーンもしかり。歌ってすごいね。

 ジェニファー・ハドソンのオスカーについてはもう、素直におめでとうございますです。納得。

 それと新宿のシネコン「バルト9」、なぜロビーにイスを置かんのだ。

(評価:★4)

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