[コメント] 東京タワー オカンとボクと、時々、オトン(2007/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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東京タワーという映画は、映画になる前にテレビでドラマ化されストーリは見る前から大方知っていた。ただ、役者が樹木希林であり、その娘であり、オダギリジョーであることでどのような映画になるかに期待をしていた。
レテビドラマの田中裕子、大泉洋版がそこそこいい出来であったので、また別な味を期待した。
原作を読んでいない私にとって、この映画が原作の味をどれだけ表現しえたのか。あるいは原作を超えることが出来ていたのかは分からない。たしかに樹木希林、オダギリジョーはさすがといっていい。樹木希林を母親にして息子をやれるのはオダギリジョーしかいなかったろう。
さて、期待してみた映画だったが、淡々と冷静に描かれ一つの作品としての空気は感じるのだが、母親が東京に出てきてからの7年間と言う時間が映画を観ていると感じられなく、母親の病気を心配して東京へ呼び寄せた当初から、仕事も順調に行き次第に、身近に母親がいることが当たり前になりながら、初めの気持ちを失っていく過程や、彼女との関係が破綻していく過程がどうにも感じることが出来なかった。
それゆえに、母親の料理を食べに集まることから、広がっていく人間関係や、母親がいかに周囲の人々に影響を与えていたかがいまいち伝わってこないのがもどかしい。
しかし、母親の手を引いて病院へ連れて行くシーンは、絵画のようで美しい。それだけに、過去の場面よりも、東京に出てきてからの場面をもっと描いてほしかった。そのいみで、悪くはないのだが、もどかしさを感じてしまう。
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