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[コメント] バベル(2006/仏=米=メキシコ)

人によって評価に大きく差が出る作品だと思う。
サイモン64

ブラッド・ピットは私と同い年なのだが、なぜこんなにも見た目が違うのかということはさておき、一言で感想をまとめると、本作は一生懸命作ってあってそこが非常に良かった。

題名は旧約聖書のエピソード「バベルの塔」から取っているのだろう。「天にも届く塔を作った(つまり神をも恐れぬ行為に及んだ)人々の力を失わせるため、神は互いの言葉を通じなくしてしまった結果、人々は世界中にちりぢりばらばらになってしまった」その後の世界に生きる私たちの物語だ。

物語は題名が暗示するとおり、言語によるコミュニケーションがいかに不全なものかということがこれでもかと描かれる。言語が異なっても、言語が同じでも、音声で言語が操れないというハンデがあっても、そもそも人間同士が本当にわかり合うことはものすごく難しいものだと改めて感じさせられた。

結局、触れ合ったり、抱き合ったりというプリミティブな方法こそが人間に唯一残された真のコミュニケーションなのではないかということが、互いにつながり合っている4つのサブストーリーを通して描かれていて非常に興味深かった。

それぞれのストーリーの重ね方や構成も一生懸命考えて作っている感じがして、私は特にそこが気に入った。

でも、見る人によってかなり評価の分かれる作品だと思う。単なる駄作だと思う人もいるだろうし、あまりにも楽しい場面が少なすぎると思う人もいるだろうし、ワケワカンネな人もいるだろうし、でも結局そういう様々な反応こそがこの映画の本質を表しているのだろうと思う。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)chokobo[*] イライザー7

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