[コメント] ラブソングができるまで(2007/米)
主演二人の好演と上出来なストーリーテリングでGOODなロマンチックコメディ
この手の映画に特有の不自然であざとい演出というものが見当たらずさわやかなストーリーテリングに心地よい佳作である。なによりも主演二人の好演なくしてこの映画の結実には至らなかったであろうというくらいの良い仕事ぶりである。監督マーク・ローレンスによるしみじみと暖かな人物描写にも好感がもてる。ロマコメのエキスパート、ヒュー・グラントは職人的な堅実さで確かな演技をものにし、ドリュー・バリモアのキュートな存在感はその自前のビッチなイメージを全くもって感じさせず、あるべきヒロインのファンタジーを体現していて愛らしい。ロマコメというジャンルには男性用と女性用の2種があり、鑑賞者がその男女のいずれかであることによって評価が大きく変わるものだと思う。ロマンスが中心になればなおのことその傾向は顕著になり、映画内主人公の行状をどの程度許せるかという規程が為され、登場人物の一挙手一投足に一喜一憂するのである。結果ロマコメものの評価軸は嗜好の問題ということで間違いない。あとは笑いのツボが合うかどうかやファッション感覚、会話のセンスなどに好みが左右され、まさしく人生もその通り、ロマコメとは恋愛感のカタログのようなものなのだ。ベタでもエスプリでもお気に召すまま。
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