[コメント] THE焼肉MOVIE プルコギ(2007/日)
焼肉が『クレしん・栄光のヤキニクロード』に毛の生えた程度にしか旨そうに見えないのはどうしたわけなのだろう。しかしこの映画で一番不味いのは、役によって演技を変えることを知らない凡才俳優・松田龍平だ。
そりゃあ、もとよりこの映画にカルチャーショックなんて誰も求めちゃいない。ベタな話で終始するのは覚悟の上だ。俺としてはただ、いかに焼肉が旨そうに撮られているか、そこだけに興味があった。それなりに著名な焼肉店の協力、料理人の指導を受けていると聞いたから。…しかるに、そのポイントでは本作は見事に轟沈していた。
となれば、せめてドラマに面白みを求めるのは当然ではないか。だが、時に嬉々として焼肉のウンチクを語り、時に残酷な運命に打ちのめされる松田の一本調子はベタな感動すら齎さない悲惨なものであった。かろうじて山田優の元気っぷりに救われてはいるものの。これが遺作になった田村高廣の霊も不満を抱えたまま墓石の下に眠ったようで可哀想になってくる。松田をいつまでも神輿に乗せたがる日本映画界の人材不足は、自分にはとても悲しい事と思えてしょうがないのだ。
白肉(ホルモン)だけは一応旨そうに見えるカットもあったと言えばあったのと、田村の子供たちへの心温まる教えに1点プラス。
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