[コメント] トゥルー・ロマンス(1993/米)
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オープニングのバーでのやりとりや、キレた役ばっかりやっているのを見慣れると、マトモな警察官をやっていてもなんかやらかしそうな気がしてくるデニス・ホッパー演じる主人公の親父の拷問最中のやりとりがあまりにも絶妙だったので、映画が始まったばかりだというのに本気で驚かされた。やっぱりあの脚本は誰が何と言おうとタランティーノしか書けないはずだ。やはり彼の書く脚本には粗筋でかいつまんで話すだけでは語ることの出来ない、面白さや魅力が凝縮されている。『レァボア・ドッグス』よろしくなギャングと警官が鉢合わせする絶妙な笑いも然り。だからこそ、字幕はもう少しマトモな字幕であってほしかったのだが・・・(文字数制限で一部の情報が失われてしまうのはともかく、「戻ってくるかもだぜ」や『ドクトル・ジバゴ』を『ドクター・ジバゴ』にしたり、会話の理解ができなってしまうくらい「〜を?」を連発してしまうのはいただけない)。できるだけオリジナルの台詞を聞き取れるように努力はしてみたが、脚本の面白さと同時に、自分のリスニング能力がまだまだであることを感じた。
今回の監督はトニー・スコットで正解だった。タラが監督していたら、『キル・ビル』で殺陣のシーンのカメラの動きがイマイチだったのと同様、たぶんクライマックスの銃撃戦のシーンもうまく撮れないだろうし、案外余計な会話でカメラが回りすぎるせいでストーリーそのものに緊迫感をもたせられなかったってこともあったかもしれない。こんな言い方するとトニー本人に悪いかもしれないが、普通に撮られたからこそ失われるテイストも脚本を超えて得る物も少なかったというか。だが、この作品を観てしまったら、トニー・スコットの新作に『トゥルー・ロマンス』の再来を期待してしまいたくなるような気もする。
まあ、キャストもオールスターだし、内容的にも十分満足できる映画だった。ただ、個人的にはブラピが演じていた役をタランティーノに演じてもらいたかったなぁ。
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