みなさん書いていますが、ほんとよくできた舞台劇のよう。『１２人の怒れる男』『１２人の優しい日本人』といった大傑作が簡単に思い浮かびます。これで映画のオリジナル脚本。そもそもはこのシチュエーションを思いついたのが決め手。お互い初対面なのでお互いのことがよくわからないわりに断片的な情報を持っていて、それぞれが事件の解決に情熱をもつ動機がある。いやあすごいなあ。上の２作品はそれらの条件にあてはまるのに陪審員という設定を使っているのだけれど、それよりぐんと優れている。

小栗旬以下、キャストもいいなあ。香川照之の存在感はいつもながらすばらしい。ユースケと塚地武雅はちょっと落ちるかなあ・・・だからと言ってそこが傷だってことはない。緻密な脚本。繰り返されるどんでん返し。仕込みがどんどん効いてくるおなじみの展開。オンリー男子劇だけあってたびたび起こるとっくみあいも室内劇のいいアクセント。事件のオチのつけかたも愛にあふれている。

で、残念なのはラスト。いや宍戸さんとか○○○の顔とかよりもっと前。あの星空に溶けてゆく思い出シーン。あそこまで張りつめてた緊張感が・・ぎゃふん（と死語）。あそこから先なくていいなあ。と言うよりない方がいいなあ。

あれ以外は最高。舞台にしてほしいなあ。なるよね？　舞台になったら、あそこが盛り上がっていい感じになるよ。そう、アキバダンス。正直映画では微妙だけど舞台ならいいよ、絶対。