[コメント] パリの恋人(1957/米)
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Funny Face って、お前のことかい、と始めから突っ込み入れたくなっちゃう。それでもってインテリかい!色彩満開で『ローマの休日』がモノクロだったレベンジをしているみたい。オシャレです。オードリー黒きてもいいし、ピンク着てもいいし、白着てもいい。もう何着てもいい。アステア伊達男。この洒落モノ!ダンスがうまい男がいい男だなんていい時代だ。古本屋の女店員オードリー、少女マンガの定石通り、めがねかけてて欲しかった。くすんだ感じの店員服もシック。暗室のダンスシーンもさりげなくいいです。お決まりの展開で、ここで歌、それから踊り、と全部読んだとおりやってくれて安心。それでフランスに攻めにいく。アメリカ人のフランスコンプレックスがうかがえて興味深い。オードリーが薄暗いカフェで共感主義者と話していると、アステアが君たち寄生虫、とか歌いながらビールをつぐ。フランス人ニコニコしてる。英語なんかわかんないからね、といった感じが随所に見られる。パリ観光名所でアメリカ人が踊る。これ侵略です。エッフェル塔のエレベーターの中でも踊ってるアメリカ人。このパリでこの後ゴダールが『勝手にしやがれ!』撮ることになる。そう考えるとなんかすごい。エンディングの教会前の庭園シーン。しっかり日が射している。この直前は夕暮れですっかり暗くなった空をアステアが搭乗している(とオードリーは思っている)飛行機がエッフェル塔を背景に飛んでいる。そりゃ永遠の妖精オードリー、ルナルータぐらいの魔法は使うわな。もちっと内容欲しいけどこの形式じゃ無理だとすぐ思い直しました。『オールアバウトマザー』みたいに、ファッションセンスと内容は両立可能です。
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