[コメント] アメリカン・ギャングスター(2007/米)
家族の部分も描く事で同じような題材の作品との差別化を計ったのかもしれないがそれがために散漫な印象を残す。アカデミーの主要部門のノミネートを軒並み逃したのも納得。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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2時間半、よく見せきったと思う。それだけでも十分良作ではあるのだが、題材にしては山場が少なく、強い印象が残らない作品である事も否めない。
後半の麻薬精製工場での緊張感を考えると、前半に含まれる、リッチー(ラッセル・クロウ)の家族関連エピソードはすべて蛇足の感が強い。本作のポイントはあくまでも フランク(デンゼル・ワシントン)のなりあがりぶりと、リッチーの正義を遂行する執念に集約されるべきで、そういう意味では焦点がぼやける作品になっていると言わざるを得ない。
『アンタッチャブル』的にも、『ゴッドファーザー』的にも出来る素材が返って迷いを生じさせた印象が強い。どちらかに振り切った上で勝負した方が、より面白くなったのではないか。実話をベースにするとこのあたりのさじ加減が難しく、本作もそこでつまずいたと思う。名作になりきれなかった。残念な一作である。
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