[コメント] チーム・バチスタの栄光(2008/日)
鑑賞後の一言 「切り込み不足」
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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原作の醍醐味である大学病院を舞台にした権謀術策がほぼ丸ごと省略されていたのは少々残念だが、時間の制約を考えれば仕方ない。バチスタ手術を巡るミステリーに焦点を絞ったのは納得できるし、手術シーンの息詰まる緊迫感はなかなかのものであった。しかしそれだけで閉じる世界なら、土曜ワイド劇場の枠で流せばよい話。せっかくこの題材を、一流スタッフ&役者を揃えお金をかけて映画化したのだ。1つでも2つでも時間の許す限り、現在の医療を取り巻く問題にメスを入れるべきではなかっただろうか。ソフトボールに費やされた時間が実にもったいない。
桐生(吉川晃司)が「今度、不定愁訴外来を受診させてもらおうかな」と言うラストシーン。原作では田口が「お断りします。ご希望ならアルコールを処方しましょう」と、友情を感じさせる返事を返す。この部分が本作では「お待ちしています」という安直なセリフに変更されていた。田口の設定を若い女性に変更した影響なのだろうが、どうせ変えるならこのシーンに、様々な問題を抱える医療従事者こそ不定愁訴外来(愚痴外来)の診察が必要だというくらいのメッセージを込めても良かったと思う。
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