[コメント] Sweet Rain 死神の精度(2008/日)
まとまりという面では、欠点があった原作をきれいに纏め上げている。筧昌也監督は、覚えておくべき監督である。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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原作は必ずしも全編を繋げているわけではなく、ある一部分のみ繋げるというスタンスを取っているため、その分散漫な印象を残す作品であった。振り返って本作は、ほぼ独立した「吹雪に死神」「旅路を死神」の2篇をばっさり落とし、「恋愛で死神」の女性キャラ 古川朝美の設定を藤木一恵に組み込む形で、一本の線を構成するように仕向けている。この設定変更は成功している。時系列の基準を強調した結果、キャラクタ造詣に幅が出ている。
また、要所要所で付け加えたエピソードがいちいち効果的。阿久津(石田卓也)を藤木(小西真奈美・富司純子)の息子とした事、藤田(光石研)を交通事故死とした事、美容院に訪れる孫を藤木が認識できる形にした事。すべてが効果的な映像で感心仕切りであった。
主役・金城武は思ったよりも表情で芝居が出来る人なのだと実感。ただ、モノローグはもう少しやりようがあったのではないかと感じた。
総じて良作。日テレ制作には極めて珍しく原作の世界観を壊さなかった事は素直に評価できる。その意味でも、本作以降、筧監督は要注目である。(2008.04.04 TOHOシネマズららぽーと横浜)
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