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[コメント] 復讐鬼(1950/米)

これは凄い映画だ。まずは、リチャード・ウィドマークのイヤラシさが際立つ、もう圧倒的なパフォーマンスなのだが、しかし、強調しておきたいのは、企画やテーマ性、あるいはプロット・科白の強さ、それを体現した役者の演技以上に、矢張り、マンキウィッツの演出が映画の画面を獲得し続けている、ということだ。
ゑぎ

 シドニー・ポワチエが施術する、拘留者病棟の装置としての使い方。スティーヴン・マクナリーとポワチエの2人が訪れる、リンダ・ダーネルの部屋。ラジオから流れる「In a Sentimental Mood」の調べとダーネルへのディレクション。照明弾で照らされる暴動シーンの外連味。そして、ラスト、マクナリーの家に呼び出されたポワチエとウィドマークとダーネルの三人のシーンは狂気的だ。ダーネルがこの家に入る際の、邸の外から撮ったカットは、この家の構造を、とても上手く見せて驚きがあり、あゝマンキウィッツという人は矢張り只者ではないなと思わせる。エンディングの簡潔さと途中感による突き放しも素晴らしい。

#備忘で配役などを記す

・リンダ・ダーネルの部屋のラジオから、デューク・エリントン・ナンバーのサックスソロを3曲聞くことができる。最初の医者2人の訪問シーンでは、「In a Sentimental Mood」。ウィドマークが脱走した後、聾者の兄(?)と訪れ、ダーネルを拘束する場面で「Don’t Get Around Much Anymore」と「Sophisticated Lady」

・ポワチエの兄夫婦は、オシー・デイヴィスルビー・ディー

・ポワチエの施術の正当性を証明する医師は、カメオ出演のウィル・ライト

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)動物園のクマ[*] ぽんしゅう[*]

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