[コメント] 少林少女(2008/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
まず、本が悪い。脚本、十川? 何で2人で書いてんだ? 藤子不二夫か? 才能なし!
凛とラクロス部の仲間たちとの絆が深まるシーンが余りに薄っぺらなため、スポコンモノとしてはこの時点で失格。「形式にこだわって心がない」と劇中岩井が凛に言うシーンがあるが、この本こそがまさにソレ。
ラクロス・少林拳に共通の動作が多いため、双方共に猛特訓。このシーンもサラサラと画面を切り替えながら流し過ぎるために、練習して上達していく感じが全くない。
凛がいつ少林拳の「心」を見出したのかが描かれていない。まさか、少年サッカーに混ざってチームプレイを学んだ、とでも言いたいのか。9年間中国で修行した意味はこの解釈だと皆無になる。
大場の手下により、道場が放火され岩井の中華料理店が爆破される。ココからのアクションシーンも『死亡遊戯』のパロディになっているが、正直、寒い。柴咲コウの1年間の特訓の成果は確認できるが、アクション映画としては中途半端。 ブルース・リーのそっくりさんがヌンチャク振り回してる時点で、「あ〜、コイツ1発で沈むな」、案の定、バレバレ。
唯一、岡村隆史は楽しんで演技をしているように見えた。 心なしか、表情も輝いてるし。。。ジェット・リーに見えなくもない。 どーでもいーか。。
柴咲コウもこのシーンにはチカラが入っている。ただ、物語として単なる教務課の男が実は大場の腹心だった、というのがビックリな落とし所なんだろうけど、フジテレビが公開前の宣伝で大々的に「岡村が柴咲のアタマを蹴る」事をとりあげていたため、全く驚きはなし。
もったいぶった「伏線ありましたよ〜」的スロー再生・フラッシュバックも意味なし。
大場との戦いにもカタルシスは感じられない。愛を諭して和解、ってなんだソレ?
ラスト、テロップの間に挿入されるラクロスシーン、順当に勝ち上がっていく様子が描かれているが、画のみ。
道場や店を放火爆破させた張本人と岩井が握手するシーンがあるが、あのシーンを描きたいなら、大場が道場で胴着着てちゃんと鍛錬してる姿の描写がないとダメでしょ?
コメディな部分は殆ど岡村に丸投げ。タマゴネタ、社長さんネタで最後まで引っ張るんだろうな〜と思ったらまんまその通りで驚いた。
監督もいい加減。本広克之、『UDON』に続き底の浅さ露呈。亀山千広、名前出すな、関わるな。全部チャウ・シンチーに任せて香港映画にしたほうがマシだったと思う。。。
コメディにもアクションにもなりそこなった駄作映画。コウちゃんごめん、うんこだわ、コレ。
フジテレビジョンなんかが金儲けに作った映画に翻弄されている役者が可哀相に見えた。こんなんじゃ、邦画の将来も先細りだな〜。
でも、興行的にはスマッシュヒットしちゃうから、製作者サイドはどこが悪いか反省もしないまま同じような映画が作られていくんだろうな。。。
心なしか、柴咲コウの笑顔が作り笑いに見えて仕方なかった。子供のような無邪気な表情が自然と出せる名女優なのに。。。
何となくだけど、撮影中に映画のデキが見えてきて、彼女なりに『コレはコレ』と途中から割り切ったお芝居に見えてしまった。熱意とか一生懸命さとか、そういうのに敏感そうだもんな、彼女。。。
余談だけど仲村トオルはビーバップの頃よりガタイが良くて強そうだ! この映画のために鍛え上げたのかな。
余計に物悲しい。。。
『メゾン・ド・ヒミコ』>『どろろ』>『GO!』>>>『県庁の星』>>>『舞妓Haaan!!!』>『世界の中心で愛を叫ぶ』>『本作』=『黄色がえり』>>『案山子』>『DRIVE』そんな感じ。
舞妓〜黄色辺りのファン層狙い見え見え。
ラクロスを題材に扱ったものにいいものなし。田中麗奈。
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