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[コメント] 相棒 劇場版 絶体絶命!42.195km 東京ビッグシティマラソン(2008/日)

細かいアラは多数あれど、観ている間はあまり気にならず。
freetree

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







後から冷静になって考えると、腑に落ちない点はいくつもある。Sファイルを公開させたいという一心で行動しているはずの犯人が、わざわざチェスのトリックなどを使って殺人を楽しむかのような振る舞いを見せたり、かと思えば元総理に対しては空砲を用いようとしたり。まるで前半と後半で犯人が別人のよう。

他にもマラソンに参加していたはずの塩谷(柏原崇)がいつの間にか倉庫に移動していたり(じゃあなんで参加してたんだって言う)、普段の右京さんなら引っかかりそうもないブービートラップに3回も引っかかってみたり(15万人の観客も人質って言ってるんだから、一番可能性があるのは競技場でしょ)、などなど細かいところを気にしだしたらきりがない。

…が、それでもなお、この映画を楽しめたのは、映画的な見せ所が満載だったからではないだろうか。前述の突っ込みどころも後から考えればそうなだけで、観ている最中はハラハラドキドキそれどころではない(逆に、乗れない人はとことん乗れないだろうけど)。そして犯人の動機。あの事件に関して、ここではあえて触れないけれど、感情移入して仕方がなかった。

右京さんの「人は忘れます。確かに今は、この事件のことが心に焼き付いています。ですが、明日また別な事件が起き、次の週にまた違う事件が起きて、また、再び忘れてしまう。」という台詞がすべてを象徴しているのではないかと。これだけでも観た甲斐は十分にあった。裁判員制度や死刑制度など、社会的な問題に鋭くメスを入れてきた相棒だからこそ、説得力がある台詞である。

とはいえ、トリオ・ザ・捜一こと捜査一課の3人のちょっと間抜けなやりとりとかも非常に好きなので、そういうほっとできる場面が少なかったのは残念。まあ、ドラマはまだまだ続くようだし、興収次第では第2弾もありそうなので、その辺は今後に期待ということで。

(評価:★4)

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