[コメント] エイリアン2(1986/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
この映画は母性を強調した作品である事は一目瞭然なのですが...
実はさりげなく「父性」も描かれているのではないか?と思うのです。
それに気付いたのは、ヒックス伍長の↓この行動。
「ニュートが建物の設計図を見ようとするが、自分より背の高い大人達が邪魔でなかなか見れない。そして見やすそうな場所へと移動する。」→「それに気がついたヒックスが彼女を抱きかかえて、設計図が良く見える台の上に乗せてあげる。」
ストーリーには全く関係のない、いわばどうでもいいようなシーンですが、
私はこの場面を見て「父性ってこう言う事なのかもしれないな」と言う事を強烈に
感じました。(設計図を見たがるニュートのカットが妙に気になったので...)
母親だって人間だし生き物だから、限界はあるはずです。
母親の手が回らない所は、父親がさりげない温かさと優しさでカバーする。
子供の幸せは「母性」と「父性」で守ってゆくもの....
とても大切な事を教えてもらったような気がします。
(そういや輸送船(?)が墜落した時も彼はリプリーとニュートを守ってくれていましたね。「大丈夫か?」って声もかけてくれた。手榴弾を興味本位で触ろうとしたニュートに「危ないよ」と、小さな子に武器を触らせないようにする。「婚約指輪じゃないよ」と冗談を言ってリプリーを笑わせたり、銃の使い方を教えるシーンは非常に印象的。発信器は父から母への愛情、そして母から娘への愛情へと。医務室に閉じ込められた時、母はひたすら父の名前を叫ぶ。エイリアンは母親しか出てきませんでしたね。強い母と強い父がいて守るべき子がいた人間の「愛情」の方が一枚上手だった、と言う事かもしれませんね。)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
あのダメ隊長(?)とタフな女性兵士の最後に「人間の意地」を見た。
女性陣は初めからパワフルな人ばかりだが、男性陣はヘナチョコが目立った。
ダメ隊長の最後は「ダメ男の意地」でもある。彼は少しだけだが強くなれた。
人間、やれば出来る。可能性は無限なんだって事ですね。
二人の生き様に敬意を表します。よく頑張ったね。とても人間らしかったぞ。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ラスト、ニュートの「ママ!」だけは個人的に×。言わなくてもわかる。
母と母の戦いって壮絶な迫力があるけど、出来れば起きて欲しくないバトル。
子供の事を考えるとね....ちょっと残酷で哀しみを感じる戦闘です。
でも傑作。人間として、学ぶべきモノが多く描かれた傑作です。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (4 人) | [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。