[コメント] バルカン超特急(1938/英)
後々、この作品は『北北西に進路を取れ』に発展している印象を受けた。どちらも非常に質の高い娯楽サスペンスである。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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サスペンスの王様と呼ばれるヒッチコック。イギリス時代最後の作品であるこの映画で、すでにサスペンスの演出方法を完全に極めている。のちの作品ではテーマ性がより追求されていくが、小道具の使い方などはこの時点でもあまりに巧妙なので驚く。
個人的にはこの映画はヒッチコックの後期の作品では『北北西に進路を取れ』に通じるものがあるように思える。第2次大戦前と後という時代の違いはあるにせよ、時代背景が内容に絡み合っている点や、連続して起こる騒動のすべてが最終的には男女が結ばれるための序章のようになっている構成、そして『北北西〜』での置物に隠されたマイクロフィルムと『バルカン〜』での暗号の歌は似たようなマクガフィンとしての使われ方をしているように見えた。どちらにせよ、共に素晴らしい娯楽サスペンスであることは間違いない。
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