観終わった後の爽快感は前作に遠く及ばず、騙しの技術ばかりが巧妙になった感じ。どちらかと言えば「もう一回観た方がいいよ」的な。前作が一度観ただけでとてつもない爽快感＆映画愛を感じただけに、今作は妙な残尿感（ごめんなさい）を覚える。

また、人物の心情がおざなりになってしまっている気がしました。どの人物にも感情移入し難く、見ているこっちはラストの壮大な謎解きに気をとられ、目の前の事象にばかり囚われてしまいます。「何事もつまらないのは自分自身のせいだ」という台詞がありましたが、「おー、いい事いうね！」と思いはするんだけど、その言葉の発生に説得力がない。それはやっぱり人物描写が甘いからだと思うんです。その言葉を発した本人がそれだけの生き方をしているかどうかまで伝わって来ないんだもの。

今回は前作と比べてしまったのでこの点数ですが、次回作はもっと別次元のカタルシスを感じさせてくれるような作品、観客に真っ向勝負を挑んでくるような作品を作ってほしい（謎解きという意味でなく）。どんな感じになるんだろうかって考えるとちょっとワクワクする。そういう期待を持ってワクワクさせてくれる監督って今は少ないと思うから、頑張ってほしいなー。

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08.12.22　記