また、児童買春の描きかたも気に入らない。この映画で児童買春する連中は、嘘みたいなデブデブ白人や写真を速攻うPするキモメンなど、観客の誰もが嫌悪感を催し、安心して罵倒できるよう選びぬかれたモンスター軍の精鋭たちだ。しかしここは一見普通の人々の中に潜む歪んだ欲望を描いてこその映画ではなかったのか。阪本順治はモンスター軍の怪物性を嬉々として露悪的に描く一方で、同じことやってた江口洋介の行為は情緒的にボヤかすばかりで全然描かないんだよな。連中はキモいから悪なのではない。その行為が悪なのだ。それは江口洋介ほどの好感を持てる男前をもってしても、断じて許されざる行為なのだと感じさせずにどうするんだ。