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[コメント] 容疑者Xの献身(2008/日)

ハンサムな湯川とハンサムな石神じゃ、ドラマにならない。
Shrewd Fellow

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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湯川学はイケメンな設定だし、福山雅治でとくに文句はない。というより、かなりはまり役かもしれない。しかし、どう考えても石神があんなにハンサムじゃ、どうにもこうにもドラマにならない。石神は湯川とは対極にあるくらいのブサイクな男であり、そのことになんとも思っていなかった男でなくちゃならない。「石神は容姿のことを気にするような男ではない」という湯川のセリフにまったく真実味がない。石神が堤真一ほどの容姿をもっていたなら、堂々と隣の母子と仲良くなったに違いない。

石神を演じるのが堤真一だと知ってかなりガッカリし、しかもよくわからん登場人物(柴咲コウちゃん)がいるし、興行的に成功すればなんでもいいのか?と思った。原作を読んだとき、私の脳内での石神は、カンニング竹山。あるいは、田口浩正。そのくらい、福山雅治とはかけ離れた容姿じゃなくちゃ、おもしろくない。竹山くんの石神をぜひ観てみたいなぁ。

全体的にみれば、ベストセラーの映画化としてはいい出来になっているから、もったいない。松雪さんもすごくよかったし、堤さんもハンサムなのに一生懸命ダサイ醜男を演じていたし、最後までちゃんと作ってくれたらよかったのに、最後にきて焦りすぎた。花岡靖子の心の動き、美里ちゃんの心の動き、ここんとこをちゃんと描いてくれていたら、靖子が警察で石神に謝るシーンがもっと感動的になったはずで、もっともっともったいない。(余談ですが、キャラメルボックスの舞台ではこのあたりがちゃんと描かれていて、無理のないエンディングになっていました。)

愛情のために他人の命を奪う・・・右京さんならピクピク動いて激怒するよ。湯川もその点は指摘していたけど。それを言っちゃうとトリックにならなくなるから言っちゃいけないんだろうけども、やっぱり石神の自己満足なんだろうと思う。もし自分だったら、他人に罪を犯させてしまった重荷に耐えられそうにない。関係ない人の命を奪ってしまったことに耐えられそうにない。だから共感も感動もできなかったんだろうと思う。

(評価:★3)

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