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[コメント] レッドクリフ PartI(2008/中国=香港=日=韓国=台湾)

三国志は、昔からの大ファンだった。しかし、なぜか今作品で孔明・周愉ら英傑達が虐殺者に見えてしょうがなかった。
Hobbit☆

全体的に斬新とも言える解釈がふんだんにちりばめられており見ていて飽きのこない内容に仕上がっていたのは言うまでも無い。

残念ながら人の気持ちがちょっと気迫になってしまった感じもあり、もっともっと人と人の気持ちが絡み合う人間ドラマが見たかったという思いが残ってしまった。

しかし、それ以上に子供の頃から三国志に「ワクワクしたあこがれ」という気持ちが変化していってしまった。

冒頭の新野の戦い、八形の陣と進むにつれ、一般の雑兵が大勢にいたぶられるシーンを見ているうち、これまでの英傑達への大量の血が流れるとともに、あこがれの気持ちが失せていってしまった・・・

リアルに描かれているが故に感じたのかもしれない、あえて書かせてもらいます。

関羽・超雲らの力強さと対比して雑兵らの戦いは、1対多勢でいたぶる形となっていった。確かに目を背けてはいけない事実であろう、今は単に銃や爆弾でドカンで終わりだ。でもいつの時代も結果は変わらない、事がおこった後は累々たる屍が積み重なっていくのである。大義名分がある戦いであれば虐殺とは言われない、がしかし一度に大勢の人間が亡くなっていくのは全く変わらないのでは無いのだろうか。

英傑達も一騎当千と歌われながらも、それまでの中で大義の為に殺戮を繰り返していたのである。

これまで、それはどういうものか頭ではわかっていたつもりであった。でも映像として認識するうちに、事実の認識が全く足らなかったということを改めて思い起こされてしまった。

しかし、殺戮を伴わない、「男」として大義名分の為に生きる心意気は失ってはいけない事もあらためて強く思い起こされもしたのである。

ありきたりでどの戦争映画でも言われていることかもしれないが、歴史に学び再びこんな事が起こらない世の中を切に望みます。

3点の印象に、三国志の斬新な解釈に+1、でも虐殺の事実を思い起こされてしまった印象に−1、結局3点の点数でした。

(評価:★3)

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