[コメント] ウディ・アレンのバナナ(1971/米)
ウディ・アレンは自分の弱点を知っている。(2011/02/07)
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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名作『アニー・ホール』が作られる7年前。
彼はこの映画ではちゃめちゃぶりを発揮して自らの弱点を知ります。
彼は自ら醜い存在でナイーブでありながら正直で、まったく世間からズレた存在であることを認識するんですね。
ただ知的な彼はすべてをギャグに封じ込めながら、この政治的裁判劇とも言える展開を映像で見事に表現してしまいます。
もう天才としか言いようがありませんね。
この脚本をまともに見たらきっと面白くもなんともないと思いますが、彼の手にかかると見事に映画になっています。
若き日の彼の思考が今と変わらずシニカルで世界を斜めに見ている点が浮き彫りになる最高に面白い映画でした。
最近の彼の作品は暗く、犯罪や悪についての映画も多いですね。
でもそんな彼が若き日に作ったこのメチャクチャな映画こそ、彼自身の本質のような気がします。
感動しました。
2011/02/01 自宅
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