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[コメント] マーリー 世界一おバカな犬が教えてくれたこと(2008/米)

台詞は多いが、それに溺れたり方向を見失うことは少ない。犬に余計な演技をつけないところも良。
G31

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 一連の葬儀シーン。たかだか犬コロ一匹死んだだけなのに、そんなたいそうな出来事として描くなよ、と思わず感じてしまうが、この映画はそれを気にしていない。つまり犬に感情を移入するよう仕向けて描いてはいない。犬に人格を与えたりしていないのだ。あくまで犬を飼う飼い主家族の視点で貫かれている。とんでもない犬を飼ってしまい、それに振り回されつつも、それを含めた人生の諸問題に一つ一つ向きあっていく家族の(なかんずく夫婦の)奮闘する姿が描かれている。率直に言って、犬を飼う、飼い続ける、という行為に関し、もっとその文化的な意義から掘り下げて欲しいと思わざるを得ないような、表面的なエピソードに満ち溢れている。しかしこの家族を見ていると、なんと恵まれた、幸せな家族なのだろう、と思えてくる。端で見ていて羨ましくなってしまうほどである。そして、この幸福な家族を見ていると、なんだかこちらまで幸せな気持ちになる。たまにはこんな映画を観るのもいいな、と思わせられる。

 ウェルメイドな会話劇だが、口数少ない長男坊の存在がニクい。

80/100(09/08/30見)

 犬を飼っているから幸せなのではなく、犬を飼うことの幸せを描いているのでもない。静物画の構成要素のごとくそこに犬がいるから描いているのだが、絵全体として幸せなのである。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)モノリス砥石[*] muffler&silencer[消音装置] りかちゅ[*]

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