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[コメント] ミニヴァー夫人(1942/米)

主人公の存在を際立たせるドラマツルギーが平淡でSO-SO
junojuna

 母は強しでもなければ妻の焦燥でもない凡庸とした作劇に退屈なオーバー2アワーズである。戦争を背景とした市民の危機心理を一人の主人公を軸として描くのであれば、もっと周囲の人物の葛藤や危機的状況を見つめる眼差しがなければそこに思いは及ばないだろう。夫、息子、娘、親戚、隣人の描き方はどれも外面的だ。かといって主人公の自己の内省があるかといえばそうでもなくテレサ・ライトを死なせて教会で歌っている場合ではない。期待できるワイラーには次の『我等の生涯の最良の年』を待たなければならない。だがワイラー家の愛娘、テレサ・ライトは純朴でありながら芯のある女性をここでも演じていてさわやかな魅力を見せている。とても好感のもてる女優である。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)モノリス砥石[*] りかちゅ[*]

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