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[コメント] 天使と悪魔(2009/米)

前作よりハッタリが効いてて面白い。ガリレオ云々などをあえて一要素として捉え、あくまで主体はサスペンスアクションであることに自覚的な作りになっているからだろう。ブレずに針が振り切れている。
くたー

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







いやはや、前作に負けない位トンデモな内容なのだけれど、例えば反物質の爆破シーン一つとっても、ただ「空で爆破する」なんて言われただけじゃマジかよと思うだけだが、地上に及ぼす影響にしろ、空の色にしろ、その奇想天外っぷりを本気で構築して視覚化しようとする意気込みが感じられる。それが前作との大きな違いの一つだろう。

加えて、数々の奇想天外振りをしらけさせない程度に、最低限のエクスキューズがさりげなく用意されている展開にも手堅さを感じた。例えば、カメルレンゴの超人的とも言える常軌を逸した思考や計画、そしてその実行力も、火に自らを投じる姿を目の当たりにすることで、そのタガの外れた狂気のエクスキューズにある程度なり得ていること、など。

結局のトコロの科学と宗教の着地点が生ぬるいとか、カメルレンゴの奸計で射殺された二人や目を抉られた同僚の描き込み不足とか、細かい不満も無きにしもあらず。しかし、サスペンスアクションの中にも、暗号の謎解きや猟奇殺人的な演出など、とにかく盛り沢山に詰め込み、それをゴテゴテさせずにスピーディーなエンターテイメントに仕上げた手腕は評価されてもいいと思う。ヴァチカンも数々の暗号に彩られ、大層魅力的に撮れていたと思う(どこまでがホントなのかよく分からないけど)。

でも、肝心のアンビグラムをもうちょっと効果的に暗号に取り入れて欲しかった気も。

(2009/5/17)

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)けにろん[*] おーい粗茶[*]

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