[コメント] 処刑の部屋(1956/日)
猥褻学生を題材にいかにも安っぽく描かれたギリシャ神話のエロスとタナトスと云ったところか。山口敬〇なんて人は本作に多大な影響を受けたのだろう。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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クスリ飲まされて強姦されて、若尾文子曰く「わたし、貴方の強引な処が好きよ」だって。異論の余地なく市川=和田ペアの最低作だが、こんなものを観せられては、本作を無視して他の作品を愉しめるものではない。
例えば同年の『ビルマの竪琴』の安井昌二に託された「美しい」造形は戦中派のもので、本作の川口浩のアプレ・ゲールと一対にされているように見えてくる(パーティで儲ける川口は光クラブ事件みたいなものだ)。この対照は石原慎太郎の時代認識と大して違うまい。こういうのは御免である。
夫にも息子にも軽んじられる岸輝子の造形だけはちょっといい。「踏みつけられて私は、こんなに小さくなりましたよ」。外国の戯曲のパクリっぽい科白だが。あといいのはロケで新宿の武蔵野館が登場することぐらいか。
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