「セックス・アンド・ザ・シティ」スタッフによるトレンディドラマ風プロダクションのマーケティングムービーであるが、その意味では、役者陣の顔ぶれにワクワク感を募らせるキャスティングの美味しさが得している。ジェニファー・グッドウィンの好演は愛らしく、キュートなコメディエンヌ路線で一花咲かせてはどうだろうと思わせる存在感であった。しかし、「セックス・アンド・ザ・シティ」を凌駕する映画ならではの醍醐味を凝縮させるのには、セリフやキャラクターに寄せる集約的な人生観に、金言・名言の決定打が必要である。その点に達することができないと、いわゆるシネコンラインナップ今月の「ラブシチュエーションもの」という域を超えることは難しい。安定供給作品という意味では次第点であるにしても気概が足りないようでは、やはり感動も薄い。TVドラマとのギャップの見せどころを可能とするアグレッシヴなシナリオを期待したい。