[コメント] G.I.ジョー(2009/米)
オープニングから軟派を宣言しており、頭を切り替えて遊びに付き合うつもりで見ていくとかなり楽しめる。アクション、ヴィジュアル、キャラクターいずれにも破天荒な大らかさがあって憎めない。抑え目のユーモアも絶妙。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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序盤、いきなり出てくる敵機のオモチャな感じに一瞬引いたが、硝煙収まってからの対面シーンから、こちらの心の準備も整ってきた。チャニング・テイタムとマーロン・ウェイアンズには、同胞の戦死による心痛がほとんど感じられない。ああ、そういう映画なのね、と。
だがキャラクターの背景説明に工夫があって、この回想ドラマがおもしろい。テイタムとシエナ・ミラーは「愛と青春の旅立ち」風、イ・ビョンホンとレイ・パークは「キル・ビル Vol.2」風、テイタムとジョセフ・ゴードン・レヴィットの東アフリカはリアリスティックな戦争映画だ。これらのエピソードの表現タッチの違いが、それぞれの人間関係を色分けしていてうまい。
また、クリストファー・エクルストンのホログラム映像を使ったシームレスなシーン転換も独創的だ。あちこちに場面が飛んでも時間軸は連続しているから、ぶつ切り感もない。
大きなアクションシークェンスは四つあるが、とりわけ前半の箱物、後半のパリがよい。カースタントの構築環境ひとつ取っても作り手の個性が出るものだと感心する。
終盤の総力戦はいささか食傷気味でもあるが、この頃にはレイチェル・ニコルズが可愛らしくなっているから万事OK。指示出し役のデニス・クエイドのアップもいちいち可笑しい。チャニング・テイタム目当てで見たが、思わぬ収穫だった。
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