[コメント] 七年目の浮気(1955/米)
肩肘張らずに楽しめる小粋でウィットに飛んだ作品。それは、ひとえにヒロイン演じるモンローのキュートでコケティッシュな魅力のおかげ。セクシーさよりも呑気な人の良さを感じさせる演出が、自然体で素晴らしい。比べてイーウェルの演技は舞台臭の濃いオーバーワークで観ていて鼻につく。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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この作品の中心は、ほぼモンローとイーウェルで綴られる。だから、この二人を好きになれないと話にならない。モンローは、そもそも存在がシンボリックだから、この妄想癖のある主人公の男の空想のヒロインも現実のヒロインも違和感無く、いったりきたりで見事にこなす。非現実的な彼女の佇まいは観客をも夢中にさせ、彼女の風変わりだけどキュートな言動が、いちいち観客の抱くモンロー像と合致し心の底から楽しめるはず。ところがイーウェルに至っては風貌からして険しくて作品全体に漂う粋な軽さをぶち壊す。彼の演技は達者かもしれないが、動き、表情にしてもいちいちオーバーワークで舞台人のそれであり、観ていてもっと小粋に演じられないものか?とガッカリさせられる。この作品がリメイクされたらモンロー演じた個性的で風変わりな美人は、ちょっと演じられる女優は浮かばない(百歩譲って、全盛期のシャロン・ストーンくらいか?)、しかしイーウェル演じた中年男は幾らでも、もっと上手に演じられそうな役者を思い付く(ハンクス然り、ビル・マーレイとかetc)。ようするに、それだけイーウェルの演技は彼じゃなくても良いってこと。それにしても、かの有名な地下鉄通気口でのマリリンのスカート吹き上げシーン。驚いたことにアップか足下だけのアングルで、全身のアングルは無かった!。あそこは全身像を入れるべきだった。スチールでしか残ってないのが惜しい。
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