[コメント] リミッツ・オブ・コントロール(2009/スペイン=米=日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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「支配の限界」とでも訳すのだろうか(バロウズのエッセーからとったタイトルだそうだ)。私には「我慢の限界」というタイトルかと思えた(どんな超訳だ)。 ジャームッシュファンには好評のようですが、いやあ、『ブロークン・フラワーズ』とかのおかげで忘れてたんだよねえ。俺、ジャームッシュ嫌いだった。あの自主映画臭い青臭さが嫌なんだよね。
いや、途中そこそこ面白かったんですよ。 やって来る奴やって来る奴「スペイン語は話せるか?」って聞いて、「音楽に興味があるか?」「映画に興味はあるか?」「科学に興味あるか?」「幻覚に興味あるか?」「絵画は?」って聞いて、意味があるんだかないんだか分からないような哲学的なこと言って、男は終始仏頂面で無口なままで、無言のままメモ紙ムシャムシャ喰って、アッチ行けコッチ行け3日待てって、なんだこれ?コントか?テンドンか?という面白さはあったんですよ。 女がずっと無駄に全裸なのも笑ったし。
ところが、最後に「音楽」「映画」「絵画」「科学」「幻覚」に意味を持たせちゃうんだな。 あれはあのまま「意味があるんだかないんだか分からない哲学」だったら面白かったのに。 そして具体的に「アメリカ人」なんかを対象にしなきゃよかったのに。 いっそ抽象的なまま、世界を混乱にもたらした“何か”を対象にした方が“哲学”だったのに。
しかし、それ以前に、「主人公の行動目的が不明」の「なんだろう?なんだろう?」映画は飽きるんですわ。 最初から抽象的なターゲットにせず、明確で具体的な指令にして主人公の行動目的もハッキリさせておいて、右往左往しているうちに抽象的な哲学が浮かび上がる方が面白かったと思うんだけどなあ。
もっとも、そういう“手段”を嫌うからジャームッシュなのであり、そこが俺が嫌いな青臭いところなんだよなあ。
(09.09.23 吉祥寺バウスシアターにて鑑賞)
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