[コメント] 黒い十人の女(1961/日)
映画の中の山本富士子と岸恵子は・・・な関係だと思います。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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市川崑が好きだ。最新作「かあちゃん」でも、そのスタイリッシュな映像表現は健在で、衰えを知らない。これほど若い感性の映画監督は少ないだろう。人間の2面性を表現するために、人物の片側から照明を当てる表現技術・・・市川崑の特徴の一つであるが、本作「黒い十人の女」では効果的に使われている。物語は、船越英二と彼を取り巻く女たちが主軸であり、観客の興味は船越がどうなるか、にある。しかし、監督が描きたかったのは女たちの方ではないだろうか?中でも山本富士子と岸恵子の関係は(もちろんハッキリ描かれるわけではないが)、「太陽がいっぱい」のアラン・ドロンとモーリス・ロネ、「ロープ」のファーリー・グレンジャーとジョン・ドールの関係と同一であると思う。シャワーの水に濡れた山本に、わざわざ車から取ってきたタオルを渡す、岸の表情・・・。実際、念願の男を手に入れた後の岸は、興味を失って放心しているようにも見える。巧妙に張り巡らされた人間関係の糸を操る市川崑。稀代のフィルムメイカーだ。
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