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[コメント] 雪之丞変化(1963/日)

まさに大衆娯楽にして前衛。長谷川、若尾の艶、中村、柳の醜、山本の不協美という芸を、キャメラ、音楽、美術といった技で揺さぶり、暗闇でしっぽり包み込む。60年代初頭、市川崑はシネスコの使いこなしにおいて、間違いなく世界の最先端にあった監督の一人だ。
ぽんしゅう

ロバート・ワイズ/ジェローム・ロビンス監督による『ウェストサイド物語』(61)しかりであるが、60年代初頭のシネマスコープのカラー作品には実験精神に溢れた野心的な傑作が多い。『ぼんち』(60)、そして本作(63)、さらに『東京オリンピック』へと続く、市川崑のシネマスコープ画面の斬新で巧みな使いこなし術は、全世界の映画界においても最高峰の域に達していたに違いない。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)t3b[*] 3819695[*] けにろん[*]

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