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[コメント] シャーロック・ホームズ(2009/米)

何を隠そう僕はガイ・リッチーの映像、センスのある映画作り等などとても気に入っており、大ファンである。と言っても『リボルバー』一本しか見ていないのだが、、。
セント

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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しかし彼が監督をしているなんて、エンドクレジットまで知らなかった不甲斐ないファンではあります。

映像がいいね。最近見られない背景のエキストラ大勢の贅沢。カラスの思わせぶりな使い方。カットの速さ。特にセリフを読む暇もないほど早く、観客の頭脳を活性化させるカット割りのうまみ。そして冒頭とエンドクレジットの、映画を愛する者だけが知る可愛く丁寧なデザインぶり。映画が好きなんですね。それだけで万年映画青年だと分かる。

でも、出し物がシャーロック・ホームズ。うーん、なんていうか、もう半世紀も忘れている原作。ほとんど内容なんか知っちゃあいない。どうしようなんて、多少躊躇している自分がいる。

で、ホームズはロバート・ダウニーJr.、ワトスンはジュード・ロウ。普通なら逆なんだが、ここら辺りがガイ・リッチーの奔放さの表れ。どうしてもホームズを暴力性ギンギンのキャラにしたかったんだなろうなあ。あの、キックボクシングまがいの激闘シーンのためにも、ロバート・ダウニーJr.が必要だったんだ。

でもそれがこの作品の評価にも影響していることは彼が一番知っているはずなのだ。ロバート・ダウニーJr.はアイアンマンにも出ているので、ちょっとそのイメージも漂う。女性ファンにモテモテのジュード・ロウ、きっちりワトスンをこなしている。でも、彼がホームズの方が作品としては華がある。(心配した通り) やはり、ホームズとワトスンは焼きもちを焼いたり、とおかしな関係を露呈することになる。

今回の収穫はレイチェル・マクアダムスの大仰なとも思えるお色気たっぷりの演技かなあ。ワトスンの婚約者ケリー・ライリーをそれほど生かしていないので、男二人&女一人の図式となっていて、映画はやはりこれでなくちゃあ、といった感じの雰囲気がすこぶる出ている。

それにしても、懐かしきモリアーティ教授など、多少古き良き我が少年時代に戻してくれた功績はよろしい。何より、こういう映画を楽しめることができなくなったらちょっと考えないといけないのではなかろうか、という試金石の映画ではないかと自問する。

(評価:★4)

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