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[コメント] パーマネント野ばら(2010/日)

原作者の私小説としての演出が見事。「なぜうちこんなに寂しいんやろ」と電話ボックスで泣き崩れるシーンはすごい。(2011/02/19)
chokobo

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







原作者の来歴を拝見して、この人はすごいと改めて認識しました。

そしてその私生活そのもの、そして彼女の体験的人生観がこの映画に見事に反映されていて面白かったですね。文学的です。

パーマ店を営む母と娘と三人で同居する田舎の物語。

これだけだと全く魅力を感じませんが、

1、この町には男がいない(いることはいますが、いい男がいない)

2、周囲がおかしな人たちばかり

というこの2点を主人公の目から延々平凡に描いてゆくわけですね。

ありきたりな日表現の映画か?と思わせておいてラストに反転します。

それは上述の2番にある「周囲がおかしな人」という主人公目線が一気に客観的になったとき、実はこの主人公が最もおかしな人だった、というサスペンス的な要素で終わります。

ファイトクラブ』も真っ青のラストですね。

その自分は夫と別れて学校の教師と不倫している設定になっているのですが、実はそれが幻想だったという終わり方。

電話ボックスで泣き崩れる主人公の深層心理が最後の最後に露呈されるわけですね。

見事な演出だなーと感心してしまいました。

孤独

それは誰もが持つものですね。

よく都会で孤独を感じるとか言いますが、このように田舎の町で周囲の人々とのかかわりだけが生活になっているような環境においても「孤独」はつきまというものなんですね。

ということは、今日本は全国的に孤独社会をひた走っているのではないか?

そんな危機感を自分にも抱かせる恐怖の映画でもありました。

2011/02/19 自宅

(評価:★4)

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