[コメント] ザ・ウォーカー(2010/米)
思わぬ拾いものをした感じ。ただし、猫好きとしては点数を下げざるを得ません。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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荒廃した大地を舞台に、一つの希望をもたらした男の伝説を描いた作品。これだけでは『ポストマン』と同じで、実際に物語の構造も似通ったところが多い。だけど通して観てみると、やっぱりこちらの方が完成度が高い。
ほぼ同じような設定の物語で、これだけ出る差とは。元も子もない言い方をすると、それが監督の管理能力の差であろう。
少なくともワシントンはナルシズムとは無縁だったし、自分を美化することなく、きっちりと役をこなしていた。そこには自己主張よりも淡々と演じきることに徹していたため、それがこの作品にはぴったり合っていたこと。むしろ敵役であるオールドマンの方が個性を出していたが、これは素で演技させた方がはまるという監督の判断だろう。 実際この作品にヒロイズムは不必要。一つの目的に脇目もふらず突き進む。というだけで充分ヒロイックなのだから。それに個性を付け加えるのは蛇足に過ぎない。
それにラストにどんでん返しを持つ本作では、主人公の持つ透明性こそが重要なのだ。その辺きっちり分かって作っている監督のおかげで本作の質は高い。
物語の方も、単調になりがちな物語構成を、要所要所を押さえる盛り上げ方をしているし(いくつか笑えるシーンも挿入されている)、最後に「おっと」というどんでん返しも用意されているので、かなり楽しめる。
実は全然期待もせずに観に行ったので、思わぬ拾いものをした感じ。
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