コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 偽れる盛装(1951/日)

出る作品ごとに、またはシーンごとにメイクを変える京マチ子。彼女の顔はさながら「面」のようだ。
3WA.C

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







わかりやすいと言えばわかりやすいことこの上ないんだけれど、あの「踏切」は象徴的だった。 姉は踏切に遮断され「祇園」から出られずに「男」に「刺される」。 妹は踏切を越え、さらに向こうにある橋を「男」と渡り、「祇園」から解放される。 どちらが幸福か、なんてことは一概には言えないが、「女」としての生き方としてどちらを選択するか、という問題提起にはなり得ているのではないかと思う。が、一言付け加えるのならば、妹よ、本当にあの男で良いのか?結構、芯が脆い男だぞ。『女経』第三話の川崎敬三と同じような男だぞ。

しかし、そう考えてみると、妹は「男」に依存しない生き方を選んだと言うことになるのだろう。逆に姉は「男」に依存しなければ生きていけない。だから勢いのある「男」を渡り続けていないといけないのだ。妹は「男」を一人前の「男」に仕立て上げる生活に生き甲斐を見出すのだろう。

うーむ、やっぱりどちらが「女」として幸福な選択かは言えないなあ。

それはそうと、堅気の仕事を持つ役の京マチ子って観たことがない。 映画の宝庫・大映のことだから、探せばきっとあるんだろうけれども。 いつも水商売か世間知らずのお嬢さんのどっちか。中間ってものをゼヒ観てみたい。

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (2 人)ぽんしゅう[*] 3819695[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。