[コメント] プレデターズ(2010/米)
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プレデターの面白さというのは、狩る者が狩られる者に、狩られる者が狩る者にという逆転だと思う。この法則は「エイリアンvsプレデター」にすら当てはまっていた。
今作はどうだろう? 登場人物は皆、優れた狩人である。ちょっと血の気が多いだけで、少し話をすればお行儀よく団体行動を始めるご一行様だが、設定上、優れた狩人なのだから優れた狩人なのである。……ぶっちゃけ迷子の子猫ちゃんにしか見えない。そんな彼らが宇宙人から狩られ始めたとして、そこに逆転劇は成立しえない。彼らが恐ろしい暴力を持った存在であることをまず観客に示さなければ、彼らが狩人であることを印象づけられず、迷子の子猫ちゃんにしか見えなくなるのだ。
ヤクザの決闘についても、プレデターというものをわかっていない。ついでに刀の決闘というものもわかっていない。格好悪すぎて見ていられなかった。プレデターはあくまでも狩人であって戦士ではない。ライオンが飛び道具を持っていないからといって、ナイフで戦いを挑む狩人はいない。プレデターの最大の武器は光学迷彩だ。コレ無しではただの大男にすぎない。そして、日本刀を持ったキャラクターというものは、姿の見えない相手とも戦うことができる。マンガでよくあるだろう。明鏡止水の境地というやつが。
旧作品へのオマージュや、兵隊、ヤクザ、暗殺者、囚人、連続殺人犯などのキャラクターを登場させることばかりに夢中になり、プレデターの本質を見失っていては、決して観客を満足させることはできない。
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