[コメント] 悪人(2010/日)
石橋佳男(柄本明)と石橋佳乃(満島ひかり)の雨中のシーンだけでも5の評価に値する作品だと思う。だが、このシーンが鮮烈であるということは主役2人が食われているということでもあり、その意味で評価を下げざるを得ない。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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最初に強調しておくが、主役2人(妻夫木聡・深津絵里)がミスキャストというつもりはさらさらない。好演である。しかしながら主役二人以上に脇が光っている。宣伝媒体でキャスティングされている柄本・樹木・岡田・満島はもちろんの事、増尾(岡田将生)の友人を演じた永山絢斗、詐欺師を演じた松尾スズキ、佳男の妻を演じた宮崎美子等も特筆すべき。
その中でも挙げたいのがコメントに書いたシーン。佳乃に全く喋らせずに会話を成立させた李監督の手腕と柄本・満島両名の演技には感服する。「なにしよっとか」の時の申し訳なさそうな顔と、「お前は悪うない」の時の笑顔の対比、完璧である。ここまで真に迫ってくるものは主役2人の逃亡劇というメインシーケンスの中には感じられなかった。
主役が生きるには脇が生きなければならない。しかし脇の光が強すぎると主役が霞む事もある。そのことを顕著に示した作品である。
(2010.09.19 109シネマズMM横浜)
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