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[コメント] 怪盗グルーの月泥棒 3D(2010/米)

3Dの必要性だけならまだ何とかなるが、ストーリーテリングが杜撰であるためどうにもならない作品になってしまった。ミニオンのファンシーさが辛うじてどん底からは救ってはいるが、それはやはり些細なものである。
Master

**ネタバレ注意**
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字幕版で鑑賞。

冒頭のシーンで、相当嫌な予感がした。確かにグルーの性格の捻じ曲がり具合は良く表現できているが、一旦は子供を喜ばせること自体が現実味がない。理論上の組み立てを重視し、現実味、特に情の部分を軽視しているのではないかと言う印象を冒頭から受けたが結局そのままの作品であった。

ストーリーが進んでいく上で、登場人物が成長するつまりは思想・考え方が変わっていくのは当然であるが、その際はその根拠が示されるはずである。本作には、基本的にそれがない。グルーが3姉妹を守っていこうとするようになるアクシデントが全く効果的に示されていない。たかが射的屋の「営業行為」に義憤を抱いてという程度でそんな簡単に氷解するものか。とりあえずそういったシーンを入れないと話が進まないからねじ込んだ程度の印象しかうけない。

また、グルーはもちろん3姉妹も、ひいては登場人物全ての人物描写が適当といっても良いレベルに浅いため全く感情移入が出来ない。そのため、基本的に全般において極端に言えば不愉快な印象が残る作品となっている。昨今のアニメは日米問わず、適切なストーリーテリングを備えていたのだが、それにしては非常に珍しいと思う。

唯一良かったのはグルーの助手たる「ミニオン」のファンシーさがコメディリリーフとして成立していること。それがなければ全く救いようのない作品であった。

(2010.11.06 TOHOシネマズ有楽座)

(評価:★2)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)サイモン64[*] chokobo[*]

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