[コメント] クロッシング(2009/米)
3つのお話がラストまで殆ど交わることなく平行して描かれるのだが、それぞれに深い闇が横たわっており、重苦しいが重厚な見ごたえのあるシーンが連続する。アントワン・フークアの演出では本作も全体に自動車の描き方がいい。
自動車の見せ方としては、しばしば、ブルックリンの高架下の道路が上手く使われる。クレーン撮影や空撮も目を引く。また、リチャード・ギアが拳銃を口にくわえる部屋や、度々訪れる娼婦の部屋、或いは、イーサン・ホークがその妻リリ・テイラーや子供たちと暮らしている住居など、屋内の描き方も、孤独感がひしひしと伝わる演出だ。家族と共にいるホークこそ孤独にさいなまれているのだ。あと、ドン・チードルがレストランで密会するエレン・バーキンがなかなかいい。この人、相変わらず鋭くて怖くて嫌な女を上手く出す。
中盤の三景のクロスカッティングはとても迫力があり明記すべきだろう。
(1)チードルとウェズリー・スナイプスが、屋上で仲間の拷問を止める場面。
(2)ギアと若い警官が、コンビニの店主と若者の諍いを仲裁する場面。
(3)ホーク達の「がさいれ」。ホークが札束を前に躊躇する場面。
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