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[コメント] ソーシャル・ネットワーク(2010/米)

ハンバーガー帝国のヒミツ』みたいな一連のビターな企業成功物語の祖型なんだろうか。ハリウッドはこの10年、遠回しな嫌味がますます上手になった。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







初見。最初のデート、ヘンテコな論理の会話が面白い。中国人のほうがIQが高いという話題にエリカ(ルーニー・マーラ)は乗るが、主人公ジェシー・アイゼンバーグはすでに別の話をしている「ボクの話をしている」。ボート部員はステキ、という一言に主人公は噛みつく。「ただのイメージよ、カウボーイと同じよ」「そうか」「何か食べる?」「話題を変える気か?」「クラブの話から何か噛み合わないわ。中国人はIQが高いの?」それからハーバードのクラブに入りやすいとか入り難いとか、話は混乱しまくって、ドアマンと寝ただろうと口を滑らせて彼女にフラれる。

この論理で全編通してほしかったが、そんなことすれば物語は訳判らなくなり、主人公は成功しなかっただろう。彼の成功は適宜、同伴者を切り替えた偶然によるものなのだろう、という感想が惹起される。そして映画のラストではこの最初の彼女を見ている。人の動機とはそんなものだという割り切りが感じられた。引っかけサイトから始めた者の本領だったのだろう。

冒頭の彼女にフラれる会話がボート部との邂逅に繋がるギャグは面白く、双子をわざわざ一人の俳優アーミー・ハマーで分割撮影するセンスが、そのマッチョ振りと併せて割と面白い。学長に正論説いてイナされて「倫理規定はクソだ」と薄ぼんやりと気づく件とか。イギリスでのボートの試合はほとんどCMのような編集で、これはギャグなのだろうが、ギャグの質として誠にバカバカしい。最後は北京オリンピック入賞まで冗談が広がった。実話なんだ。はあ。

劇伴はすでに演歌に近いコブシの効いたトレント・レズナー節が堪能できる。ブラーのパクリもある(38分前後)。最後のビートルズのミックスはサイドキターの音量あげていて面白い。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)ロープブレーク[*] 緑雨[*]

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