[コメント] タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密(2011/米)
駄菓子なんだけど、ちょっとだけ上等な駄菓子のような映画。
「タンタンを撮るには今まで待つしかなかった」と熱く語ったスピルバーグは、ずっと前から映画化を夢見ていたであろうそんな熱き思いを抑えられないかのごとく、細部に至るまで手を抜かずにひたすら「アクション」にこだわりを見せ続けていて、まずはそこが嬉しかった。特に前半の道路と車というありふれた装置で作りなすアクション演出の数々が本当に秀逸で、自分などはもうそれだけでこの映画を観た価値が十二分にあったと思っている。
が、だからといって、その世界を大仰に広げ過ぎず、あくまでも昔ながらの物語構成に止めているところにも、まるでエルジェの本を読んでいるかのような安心感を覚えて更なる喜びを感じた。
つまるところこの映画は、そういうスピルバーグの、いつまでも子どもの心を忘れないかわいさを彼ならではの確かな演出で味わう、駄菓子なんだけど、ちょっとだけ上等な駄菓子のような映画なのである。
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