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[コメント] キツツキと雨(2011/日)

かつて私も、生意気なだけで本当は何も知らず、ちょっとしたことで悩み迷い、すぐに自信をなくしてしまう若造たっだことをすっかり忘れてしまい、今では世の中の不甲斐ない若者をみると不満を募らせている、ということが鏡に映る自分を見るようによく分るのだ。
ぽんしゅう

父と息子。おじさんと若造。かつて男の子だった者と、いまだに男の子から抜け出せない者の齟齬。つまり男はいかにして男らしくなるのか、についての話だ。男らしさとは強さなどではなく、相手をおもんばかり手をさしのべる「大きさ」なのだ。究極は劇中劇の父親(平田満)がみせる息子への思いと葛藤であり、シナリオを読んだ克彦(役所広司)が涙したのも、きっとこの男の思いに自分を重ねたからだろう。まあ。35歳の沖田修一が「おじさんたち、もっと若い男に優しくしてくださいよ」と言っているだけのようにも思えるが・・・。

通常、このような若者の成長譚や世代ギャップものの場合、小栗旬高良健吾らが思いを寄せる恋人とのすれ違いや、克彦(役所広司)の亡くなった妻への思いといった葛藤がサイドストーリーとして描かれることが多い。ところが、この映画は女がまったく話しにからんでこない。登場人物の関係が無駄にふくらまず、逸話はすべて「映画ロケ」に収斂し良い意味で本題が単線で進むだけだ。贅肉を削ぎ落としたようなシンプルな脚本が主題を明確にし、分りやすく、かつヤワな叙情に流されない(それこそ男らしい)強靭さを生んでいる。

沖田監督の独特の間合いと、それに応える役所の好演が心地よかった。

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そういえば、沖田監督の前作『南極調理人』(未見)も男ばかりの話しのようだった。 このこだわりは何だろう。ぜひ観てみたくなった。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)リア シーチキン[*] セント[*]

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