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[コメント] 少年と自転車(2011/ベルギー=仏=伊)

本作の主人公シリルは、全編、上半身は赤いモノ(ジャンパーやシャツ)を着ている。『イゴールの約束』などのジェレミー・レニエ(本作ではシリルの父親役)も、赤いジャンパーを着ていたが、本作はさらに徹底しているように思う。
ゑぎ

 また、劇伴音楽の使い方は特徴的だ。ちょっとゴダール『軽蔑』のような入れ方をする。全編で3回、ラストクレジットを入れて4回か(クレジットでベートーベンと分かる)。しかし、主人公シリルの心持ちを代弁するような劇伴に思えるところもあり、その点はだらしない。

 ラスト前のシーケンス、シリルとサマンサ−セシル・ドゥ・フランスのツーリングのシーンは、爽快な横移動カットで、矢張り、本作においても自転車は幸福の象徴なのだ。自転車を交換するという演出も、映画的だ。こゝで交換する必要性は殆どないのだから。そしてエンディングのあっけなさもいい。ラストカットまで、シリルを突き放した冷徹な視線だと思う。

(評価:★3)

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