[コメント] 犬神家の一族(1976/日)
陰翳の美。ほの暗い屋敷内の映像と明るい湖の風景のコントラストが,横溝正史のおどろおどろしい雰囲気をうまく醸し出している。
事件そのものはシリーズの中でも単純な方だと思うけど,映画としては実にまとまっており,秀作と言って良いと思う。
それにしても,この作品,光と陰のコントラストが実に鮮やか。登場人物にしても,陰の象徴のような白い仮面の男と,光そのもののような島田陽子の美しさ。そして高峰三枝子をはじめとする重厚感溢れる役者陣。
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ところで,金田一耕助シリーズの中で欠くことのできないのは,役柄は変われど,いつも同じようなキャラクターを演じているこの二人ではないだろうか。
一人は,等々力警部や地元の警察署長として「よしっ!わかった!」と叫んで,聞いた瞬間から誰もが絶対あり得ないと思うような迷推理を堂々と披露する加藤武。
そしてもう一人は,宿の女中や郵便局の娘として,金田一のフケに顔をしかめながらも,なんだかんだと明るく世話を焼く坂口良子。
事件の核心には関係ないことが多いものの,この二人なくして金田一シリーズは語れない。
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