[コメント] ヘルタースケルター(2012/日)
女優沢尻エリカには何も憑依しない。蜷川実花は、極彩色の装飾や小道具と同じように沢尻の美形(カタチ)を使って、大衆の欲望を客観的に「表現」するのではなく即物的に「体現」してみせるだけだ。それが、二人の資質で「らしさ」だと言えばそうなのだが。
そのぶん、自然体(それしかできないからだが)の窪塚洋介と水原希子は、この過剰な極彩色ワールドのなかに何とか踏みとどまっていたが、寺島しのぶと大森南朋は「体現」映画との距離が測れないようで、終始居心地が悪そうに芝居が浮いていた。そんな混乱のなか、唯一、欲望を「表現」していた桃井かおり久々の怪演(自分の靴を足でもてあそぶ芝居を見逃すな!)に唸る。沢尻の裸より、桃井の一挙手一投足の方が数十倍エキサイティングだった。
(評価:)
投票
| このコメントを気に入った人達 (3 人) | [*] [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。