[コメント] 悪魔の手毬唄(1977/日)
坂口良子がいれば完璧だった。複雑なお話をよくここまで巧くまとめたものだと感心する。
程良い怪奇色に彩られた映像。前作に引き続き細心かつ大胆なカット割り。岸恵子をはじめとする充実の絢爛豪華な演技陣。市川崑監督の会心作。
ロングからアップに、バストからロングに、細かいカットバック・フラッシュバックとカメラワークを駆使し物語を紡ぎあげる手法は、この作品で完成形をなしたといっても過言ではなかろう。岸恵子の性格設定に少々疑問が無い訳ではないが、エンターテインメントでこれだけの人物像が語られるのだから立派なものである。2時間を超える長尺さを感じさせない堂々たる娯楽作。前作のコケティッシュでちょっと抜けているような魅力的キュアラクターを演じた坂口良子の不在が惜しまれてならない。
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