[コメント] 桐島、部活やめるってよ(2012/日)
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そんな「学校」での話を動かす狂言回し的なツールとして「部活」が利用されるのも理にかなっている。そうなるとあとはそこに人間関係や恋愛感情、進路などといった普遍的な物語を挿入するだけ。これだけでもう十分である。また先にも述べたように、目に見える大人の存在が教師レベルにとどまって、その確執の幅を間違っても親レベルに広げなかったところも良かったと思う。
良かったといえば、本作は若手女優陣の描き方も本当にうまい。例えば冒頭、校庭の見えるベンチに腰掛ける山本美月の美脚が示されるロングショットから、橋本愛や松岡茉優といった芸達者はもちろんのこと、大後寿々花や清水くるみの細かな視点の動きに至るまで、本当に間違いなく素晴らしい瞬間が捉えられていた。
ちなみに私の学生時代には教育の一環として部活があり、校内の全生徒が何らかの部に所属し活動することが校則で義務づけられていた。しかし、そんな校則に拘束されることを嫌ったヤンキーなやつらは、学年でも指折りの真面目なやつらと共に写る卒アル写真でのみその部が存在していたことを知るような文化部に所属し、普段は自らの所属を「帰宅部」だと語る、そんな時代だった。
そんな「帰宅部」だらけの幽霊文化部として卒業後話題となったのが実は「映研」であったものだから、本作でロメロを引き合いに出して「そんくらい観とけ!」と激怒する神木隆之介の姿に当時を懐古し、何だか申し訳なさのようなものを感じてしまったことも正直に告白しておきたいと思う。
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