[コメント] 人生の特等席(2012/米)
これ、本来は娘ミッキーが主人公の作品なんだろうな。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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長年わだかまりのあった父の付き添いとして出た旅が、自分を回復させていく物語。実は少年のためではなく、自分のための旅だった『菊次郎の夏』みたいな。だから本来は、父親は娘目線の向こう側の、最初は内面がわからない人、として描かれたほうが、物語の構成としてはしっくりするのに、父役がクリント・イーストウッドだったために、脇役でないが主役でもない(物語における役の「主」を決めるのは、誰の「成長の物語」なのかということで決まるのだと思う)登場人物の配し方が、ちょっと違和感を感じた。悪い違和感ではなかったけど。「友情出演」などような作品世界の外での事情が作用することで、物語らしいフォーマットに違和感が生じるというのは、ちょっと面白い作用だった。
「人生の曲がり角で悩んで」と「カーブに難あり」のダブルミーニング、確かに邦題は難しいと思うけど、昔の邦訳に携わった人たちには、「そこを乗り越えてこそが訳」という矜持があったんだろうな、と思ってしまった。
田舎の野球場っていうのは情緒があってたまらないなあ。個人的にもう一人の主役。
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