[コメント] 真昼の決闘(1952/米)
「えっ、たったこれだけ?」という恐るべき凄い映画。奇跡がもたらした歴史的名画。小便ちびりそう…(失礼、下品でした)
後年考えるとフレッド・ジンネマンとスタンリー・クレイマーがタッグを組んで映画を作るということ事態が奇跡であり、そこにゲーリー・クーパーが主演でグレイス・ケリーが支えるという事態も奇跡的だ。
それは勿論、後々になってそれを理解できることなのだが、時代が移り変わろうとこの奇跡を達成できることは不可能に近いことではなかろうか。
スピルバーグがプロデュースしてゼメキスが監督するとかいう次元とは全く異次元の奇跡である。
クレイマーはアメリカそのものである。この時代劇、西部劇を作るのに最も適した人材である。しかし、本人は非常に神経質な一面を持っていて、なおかつ下積み時代からのし上がってきた人だけにこだわりが強い。それが映画の端々に表れている。この映画の推進力である。
対してジンネマンはウィーン出身のオーストリア人で、同じ出身にフリッツ・ラングがいる。この映画の理性であり知性だ。とかく人情的な映画では、それだけが印象を強めてしまうことが多いが、ジンネマンはこの映画の細部を冷静に配慮し、色々なシーンに映画的と言える名場面を残している。
これは(何度も言うが)奇跡である。奇跡的名画だ。
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